キリストのための町-中絶も避妊もない「カトリックの町」 構想に賛否両論
- 2006/03/18
- 15:17

アベ・マリアは、宅配ピザ大手ドミノピザの創始者、トーマス・S・モナハン氏の構想で、同州南部ネープルズの東方約40キロに来年誕生する予定。カトリック系の新設校アベ・マリア大学と共に、約2000ヘクタールの土地に住宅や教会、町民センターなどが建設される。教会には、全米一とされる高さ約20メートルの十字架を設けるという。同氏が費やす資産は、少なくとも2億5000万ドル(約290億円)に上るとみられる。
計画によれば、この町には1万1000世帯、2万人が暮らす見通し。商業地などは、モナハン氏と提携不動産業者が企業に貸し出す形になる。「町の建設は神の意志」と語る同氏は、中絶反対運動などで知られるカトリック教徒。この町に出店する業者に対して、ポルノ雑誌や避妊具、避妊薬の販売を禁じ、ケーブルテレビには成人向け指定のチャンネルを提供させないなどの規制を設ける方針を示している。「歴史は善と悪との戦いそのもの。私も傍観しているわけにはいかない」と、モナハン氏は主張する。このほど行われた起工式では、同じカトリック教徒のブッシュ知事が、「信仰と自由が1つになった新しい町が生まれる」と賞賛の言葉を述べた。
一方、宗教に基づく規制が敷かれることに対して、市民団体などが「計画は違憲だ」などと強い反発を示している。全米市民自由連合(ACLU)フロリダ支部のハワード・サイモン氏は「町の建設計画がそのまま実現すれば、ネープルズや州、郡の住民は今後、法律上の問題や数々の訴訟に延々と悩まされることになるだろう」と警告。リベラル系のカトリック団体「自由な選択を求めるカトリック教徒たち(CFC)」からも、「民主主義社会では、市民の権利を制限する町など成立しない」「イスラム原理主義に通じる考えだ」などとする批判の声が上がっている。
【参考1】トーマス・モナハン氏
1937年生まれ。4歳の時父親を亡くし、養育院で育てられる。1956年海兵隊に志願。1960年23歳で弟と共同でドミニックピザを900ドルで買収。5年後に「ドミノピザ」に社名変更、3店舗に発展。1965年株式会社へ、32店舗の直営に至る。1970年資金繰りの悪化から銀行が会社を買い取り経営することとなるが見事9年後借金を返済した。1973年75店舗。70年代のインスタントライフ流行を見て宅配ピザを思いつく。1980年代急成長、現在全世界で一日10万枚以上、5000店舗を擁する宅配ピザ最大手となる。1983年から1992年までデトロイト・タイガースのオーナーだった。[経済傑物列伝]
【参考2】ローマカトリックの妊娠中絶への見解
カトリック教会の中絶に対する態度は、非常に明確です。科学の進歩に対して、自らの考えをはっきりと表明しています。 それは、すべて物事は自然法則に基づくものでなければならないという考え方です。自然法則は、「人工的なもの」と「自然なもの」を区別するのではなく、人間にとって自然な行為と不自然な行為を区別するのです。養子縁組をして、生まれた子どものために環境を整えるのは、神が私たちに与えて下さった理性を用いた聡明で自然な行為なのです。しかし、文明が進歩するに従って、その進歩が真に人間的なものかどうか問う必要があります。科学者の仕事には、往々にしてモラルの問題を含むものがあります。 カトリックでは、胎児は受胎の瞬間からすでに尊重されるべき一人の人間であり、神からの贈りものであるという考えを貫いてきました。どのような段階であれ、胎児を殺すことは悪であるとしています。胎児がいかに未熟な状態であっても、生命の始まりであることに変りはないのです。 カトリック教会は、長年中絶に反対の立場を取っています。そのことは、二世紀に書かれた教義書「ディダケー」に、「胎児を中絶によって殺してはならない」という記述があることからもわかります。 胎児は神からの贈りものであり、神の姿に似せて造られたのだから、いかなる場合でも守らなければならないのです。これらの理由から、カトリック教会は中絶反対なのです。 [Japan-lifeissues.net:clear thinking about crucial issues]バース・コントロールと妊娠中絶
【参考3】ローマカトリックについて
ローマ教会の司教が、全教会の規律と統治を担い、教皇と呼ばれる(法王とは呼ばない)。教皇は使徒ペトロの聖座における後継者とし、彼が聖座宣言という公的な決定を下したとき、信者が永遠に守るべき信仰と道徳に関する教理は不可謬であるとされている。現在、教皇が継承している聖座の所在はバチカン市国にある。ただし、聖座はバチカン市国の行政組織を指す場合があり、教皇庁とも呼ばれる。(その組織構造の詳細は[1] を参照)現在の教会法において、死去または退位によって教皇の役職者が空位になったとき、枢機卿と称される教皇の顧問らが互選により選出する(コンクラーヴェ)。
[考察]【写真】伝統主義的な新教皇(ローマ法王)ベネディクト16世(ラツィンガー枢機卿)は元ヒトラー・ユーゲント不良隊員だった
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