ゲン担ぎ菓子続々登場。最近の受験グッズ事情
- 2006/02/16
- 20:06

受験シーズンも年を明け、そろそろ本格的。センター試験も迎え、受験生の方々は一番大変な時期ではないだろうか。受験生のみなさんはいかがお過ごしだろう?この時期はすごくナーバスになったり、ちょっとしたことを気にしたりしてしまう。気持ちがわかりながらも、手助けをしてやれないことが気がかりな方も多いことだろう。
そんな受験生を取り巻く中に、験を担ぐ中高生らに語呂合わせなどで人気の菓子が全国の小売店の店頭に目立つようになった.
[asahi.com]ネスレ キットカット
=きっと勝つ、キシリトール=きっちり通る……。15日からの大学入試センター試験など受験シーズン本番を前に、験を担ぐ中高生らに語呂合わせなどで人気の菓子が、全国の小売店の店頭に並び始めた。今年は限定商品が続々登場し、メーカーは激しい販売合戦を展開中だ。東京都目黒区のダイエー碑文谷店は、11日から食品売り場に験担ぎ菓子専用コーナーを作った。赤い鳥居と桜の花びらが舞うのぼりを立て、棚には験担ぎ商品が山積み。例年の受験シーズンには、カップラーメンやココア粉末など夜食用商品を並べてきたが、験担ぎ菓子がマスコミで紹介された昨年は問い合わせが殺到。「今年は仕入れを10倍にしてコーナーも広げた」と、新商戦に意欲を燃やす。験担ぎのルーツとされるのはチョコレートのネスレ キットカット
。製造・販売する「ネスレ コンフェクショナリー」(本社・神戸市)によると、九州の営業担当者が数年前、「きっと勝つとぉ」という方言と似ていることで人気が広がっているのに気づいた。昨年からキャンペーンを本格化し、今年は「合格」に語呂合わせした五角形のマグカップ付きセット(315円)などの限定商品を発売。車体に桜をあしらった応援電車も東京、大阪、名古屋、福岡など全国7都市で運行する。ロッテ(本社・東京)も、キシリトールガムとビスケットの「コアラのマーチ
」(=寝ていても木から落ちない)の験担ぎ人気を知り、今年からセールを始めた。鉛筆などを組み合わせたコアラのマーチ
の文具セット(399円)などが対象だ。「占いが流行するなど、すがる心理の表れかも」と同社。明治製菓(本社・東京)は、スナック菓子「カール」の受験生応援パッケージを発売して3年目。カールの前に「ウ」を付けた限定商品3種類を全国で販売している。(01/12)
最近の受験グッズは、縁起を本格的に担いだものからただのダジャレだろ!っと突っ込みをいれたくなるようなものまで様々ある。懐かしいところでは、トンカツ
で「勝つ」、同じくビックカツで「勝つ」、パイン飴
の穴で「”見通し”がたつ」、5円チョコ
で「"ご縁”がありますように」といったものだ。上記の記事にもあるがコアラのマーチ
は、コアラは木から「落ちない」というゲン担ぎだ。これは人気にあわせ合格祈願バージョンまででている。台風をかいくぐった梨で「落ちること無し」といって発売していたのは記憶にも新しい。
「きっと”勝つ”」のネスレ キットカットさくら味を発売している「ネスレコンフェクショナリー」は、商品だけでなく、名古屋で受験生を元気付けるためのサクラ合格ロードを開催している。
[毎日新聞]名前鉄名古屋駅(名古屋市中村区)の中央改札口コンコースに17日、満開のサクラの写真を敷き詰めた「サクラ合格ロード」が出現した。受験生を勇気づけようと、同社と菓子メーカー・ネスレコンフェクショナリー(本社・神戸市)が企画した。ロードは全長約30メートル、幅約5.5メートル。柱にもサクラがあしらわれ、30日まで一面が鮮やかなピンク色に埋め尽くされる。また、名鉄は電車の車体にサクラをデザインした「きっとサクラサクよ! トレイン」を昨年に引き続き、16日から2月14日まで運行する。車内には大学生や父母からのメッセージを載せたポスターが掲示されている。【高塚保】(毎日新聞) - 1月18日10時2分更新
他にも、ハイレ「る」レモン、”う”カールなどは売れ筋の有名商品だ。「キシリトール」ガムで、「きっちり通る!」とガムを噛みながら受験にむかう受験生も多い。
それらが立ち並ぶ中、グリコはチョコレート「GABAに、大手予備校の人気講師による受験に役立つメッセージをつけて1月10日から販売する。
このゲン担ぎは何もお菓子だけとは限らない。例えば、五角の鉛筆で「ご”う”かく」というように、”物”にもその思いをあらわしている。ワコールは「おくとパスはくとパスショーツ」
という 縁起のいいゴロ合わせの受験生応援ショーツを発売している。タコの刺繍付きショーツがタコのぬいぐるみ型パッケージに入っているこの商品は、タコ(オクトパス→置くとパス)と(履くとパス)という2重のゲン担ぎになっている。
口コミで広まっているという、魔法のシャーペンも受験生にとってはゲン担ぎグッズの一つだそうだ。ただ、この場合は「芯が折れない」ことが良いイメージにつながるというよりも、試験の際に便利であるという側面が強いようだ。
少子化が叫ばれる現代だが、これらの受験グッズをめぐっての動きはめまぐるしく,かなり大きな市場となっている。この受験商品はなにも最近だけでなく、以前から着手をはじめている団体も少なくない。例えば、福井県名田庄村の第三セクター・名田庄商会が発売している「合格そば」セットは、18年も続くロングセラー。「自然薯のように粘り強く受験を乗り切って」とのことだ。
少し話がそれるが、受験市場というのは何も日本だけの話でなく、アジアでは特に中国での拡大が目覚しい。かつては実力一つでのしあがる!というイメージがあったのが、今では完全な学歴社会に移行している。中国でも色々なゲン担ぎや、これらのような商品をもった学生が受験に臨んでいることだろう。
かわったゲン担ぎで、スキーやスノーボードで「先に滑って」おく。というのもあるそうだが、これはお勧めしない。私の友人は試験前のスノーボードで怪我をしてしまい、1年を棒に振ってしまったからだ。
懐かしいのから笑えるのまで色とりどりだが、受験生のナーバスな気持ちと若い明るさがこれらの商品から見えてくるようだ。受験生たちには気持ちよく春を迎えてもらいたいと祈るばかりだ。